
BOS、DEN、UTAHとの三連戦はチームにとって試金石のゲームだった。5連勝で迎えたことは尚更、スパーズのチーム力をうかがう機会であった。結果は3連敗。内容は点差以上のスリリングなゲームだったが、負けは負けなのだ。今の力は、リーグではちょうど15位くらいだろう。
○Offensive Diagnosis
3ポイントシューターを並べてインからアウトにボールを回して得点すること。これがオフェンスのファーストオプションではないにしろ、パーカー、ダンカンというチームのトップスコアラーにつぐオプションだろうか。3ポイントシューターもボナー以下揃っている、リーグ有数と誇っても良い。インサイドで相手のデフェンスを収縮させてからボールを拡散して得点というパターンは、今季にはじまったことではない。ダンカンの存在とともに構築されたゲームメイクの典型の得点ユニットの典型である。ビッグマンのプレーするチームは大なり小なりこのプレーをするのだが、ダンカンがプレーするとリーグ最高のオフェンスの一つになる。当然、ダンカンに多くを負うことになる。過去4回に優勝時のインサイドプレイヤーは、提督ロビンスン、K.ウィリス、N.モハメド、ネステロビッチ、オベルトがTDと共にペイント内で奮闘。そのオベルトでもトーマスもチームを去り、マクダイスとラトリフを補充。年齢が高いことはあるが、昨シーズンよりもインサイドは強化され、ルーキーのブレアにNBAルールに対する戸惑いがあるとしても、見込みがついたのも大きい。悪かろうはずがないのだが。
ラトリフはともかくとして、ダイスはポストプレーヤーとしてよりも、よりアクティヴな動きでプレーする方が力を発揮するタイプであるし、サイズのあるプレイヤーとのマッチアップにはやや不利だろうが、もっとインサイドでボールをキープすべきだろう。ボナーにしてもデフェンスに難があることは今季も同じ。それでアウトサイドからのプレーに活路を見いだし、加えてリバウンドに進歩が見られ成功しかけている。そうであっても、インサイドでパワープレーをしなければならない。そうでないと、チーム構想であるティムのプレータイムを短くし、プレーオフに照準を合わせることなんぞ机上の空論になる。期待が持てるのはブレア。さらにNBAに馴染み、ケガもなければ、中心プレイヤーになる素質十分。走れるし、リバウンド力は確か。とにかく、こぼれたボールに絡むとことで相手のファストブレイクを止めるあたりも良い。が、サイズの関係でポストプレーは無理かもしれない。ダンカンが一人でインサイドで奮闘しても限界はあるから、もうひとり15分程度踏ん張る必要がある。このあたりが、苦戦の原因だろうか。ならば、ダンカンがベンチの時は、思いきってブレアをセンターにして、パーカー、ヒル、マヌ、メイスン、RJあたりを並べてスモールラインナップでオフェンススタイルを替えるのもどうだろう。
...スパーズのベンチメンバーの優秀さはリーグ有数のレベルというか最高クラスであるが。そうなれば、プレータイムの配分が難しい。S.カーやR.オーリーのようなクラッチタイムで得点できるプレイヤーが...フィンリー(2〜4週間はプレー不能)にそれを託するのだが...だが、若いプレイヤーにはコンスタントなプレータイムがないとリズムが出ないというのもだ。今季のメイスンがその好例。マヌはケガの後遺症が払拭できたのか不明だが、復帰後は生彩を欠いている、とてもとても心配デス。ワイドオープンで得点できないシーンも多いです。とりわけボーガンス。ボウエンはFT、ミドルレンジ、レイアップは不得手でしたが、スィートスポットのベースライン際からの3sには決定力があった。3ポイントシュートの威力は大ききからどのチームも強化しているが、インアウトのパスアウトでけではなく、ドライヴして収縮、拡散というヴァリエーションも必要ではないか。ペイント内でティミー一人頼みのオフェンスは危険デス。いずれにしても、メイスン、マヌにもっとプレータイムを与えないとリズムが出てこない。RJもこのところ、得点力が落ちてきた。本来ならば、伸びてくる時期であるが、どうもイケナイというほどでもない。思いきったドライブからのダンク、アウトサイドシュートも悪くないが、どこが悪いというとFTを除きないのだが、どうして、もっと得点が伸びないのか?彼自身が錆び付いているわけでは、決してないのだ
が。わからないから、チームケミストリが悪い、といって逃げてしまおう、ここは。
○Defensive Diagnosis
デフェンスは良くない。とはいえ、幾分上向きであるのも事実だが。TOの多さはどうだろう!と思ってチームスタッツを見て二度ビックリ。TO14.16はリーグ7位で、あのLALより少ないのだ!それが、目立つのはTOからの自滅点の多さと、決定的場面でのTOの多さからくるものなのだ。相手に許した平均得点97.5は10位だが、許したFG成功率42.7で13位と順が下がる。このあたりが問題なのだろう。デフェンスの強化なくして勝ち上がることは無理な話。ボウエンのように一人でシャットアウトする部分はなくなったが、ダンカンのブロックが最終デフェンスとして機能しているから、問題はヘルプディフェンスだろう。デフェンスはなによりチームで作るものだから。
...スパーズの意外なスタートに憤慨したファンには、早くもトレードの声が喧しい。曰く、スコアラーを探しているシカゴとマヌ、ボナーをJ.サーモンズとT.トーマスを云々...マヌを欲しがるチームはワンサかだろうが、マヌを手放すなどとは考えれない。そういう意味では、私は保守主義者である。まだこれからのシーズン。これがPO直前であれば、面白くないが。こうして勝ち上がってきたのもスパーズであったことを私たちは忘れてはいない。

